神戸のマンションリノベーションで考える「キッチンの移動」について

リノベのキッチン選びの基礎知識

中古マンションリノベーションのご要望で、最も多いのが「キッチンの移動」ではないでしょうか。マンションの多くが閉鎖的なキッチンもしくは壁に付いたキッチンが多いのが現状です。その為、開放的なキッチンを望む方が多い為に、リノベーションでは、「キッチンを移動したい」というご要望が多いです。今回はご要望の多い「キッチンの移動」について注意する点などを踏まえてみていきたいと思います

キッチンの大きな移動は何故難しいのか??

リノベーションでよく言われるのが、「キッチンは大きく移動できない」では、そもそも何故大きく移動できないのでしょうか?キッチン自体の移動は、大きく場所を変えても問題はありません。キッチン本体ではなく「排水管」の影響の為に「キッチンは大きく移動できない」というのが、正解です。

キッチンの排水管には勾配が必要

水が流れていく「排水管」。水が流れるには、勾配が必要なのはご存知の通り。ではこの「排水管の勾配」適当にとっていいのか?と言うとそうではなく、きちんと必要な勾配が決められています。

まずは、決められた勾配を知る前にトイレやキッチン・洗面所などの水回りに使われる「排水管」には、管の口径、つまり大きさが決められています。トイレの排水管だと75mm、キッチンだと50mmといった感じでそれぞれの使う場所によって、排水管の大きさが決まっています。この管の大きさによって必要な勾配が決められており、管径65mm以下では、1/50以上。75mmから100mmでは、1/100以上となっています。

キッチンを大きく移動すればするほど床下の高さが必要になる

マンションでの個々の排水は、PS(パイプスペース)と言われる所に、最終的に集められています。このPSは、主に共用廊下に面して設置されています。


上記の図で説明すると、今キッチンは部屋の中心にあります。このキッチンの排水管は、上部にあるPSまで排水管が床下を通っています。その為床下の空間は、排水管の必要勾配と管の大きさを考慮した空間高さがあります。

このキッチンを例えば、押入れの部分に移動したとします。共用廊下に面したPSまでの距離が長くなるのがご理解いただけるかと思います。この距離が長くなれば長くなるほど、押入れ部分に移動したキッチンの床下高さの高さが必要になるという事です。つまり共用廊下に面したPSの部分を「ゼロ」としたとき、押入れに移動したキッチンまでの長さを「10m」としたとき、排水管の必要勾配は、1/50以上必要なので

10000mm÷50=200mm(20cm)

元の押入れ部分の床下高さは、最低でも20cm必要となります。つまり床が「20cm」も上がってしまうという事です。20cmというと、おおよそ階段1段分も床が上がってしまいます。天井高さが高ければ問題ないかもしれませんが、天井高さが比較的余裕のないマンションでは、この20cmは大きくなってきます。また排水管の長さが長くなればなるほど、管の中が「詰りやすい」という現状が起きやすいです。長ければ長いほど流すのに「水の圧力」が必要になってきてしまうからです。

キッチンは大きく動かさず「向き」などで対応しよう




マンションリノベーションで、キッチンを大きく動かさない方がいい理由は上記の事があるからなのを少しご理解いただけたでしょうか。リノベーションで、「キッチンは大きく動かさない」というのが定説のように言われていますが、キッチン本体ではなく、排水管の影響といったのが本当の所です。それでもやはり使いにくいキッチンは使いにくい。マンションリノベーションでは、キッチンを大きく移動するのではなく、「キッチンの向き」や少しの移動で対応するのが、使いにくいキッチンを改善するポイントです。

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