リノベーションの依頼先「法律も理解しているか」をチェックしてみては?
リノベーションという言葉が定着して「中古住宅をリノベーションして住む」という新しい住まいの選択肢が増えてきました。今リノベーションを考えている人やこれからリノベーションをという人の中には、どんな所に依頼すればいいのか?と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
リノベーションの依頼先もたくさん増えています。私たちのような設計事務所や工務店、はたまたリノベーション会社という者まで沢山あります。その中で「リノベ屋」というもう訳のわからない存在までいます。
建築業界には、色んな業種がありますが主に設計事務所・工務店・不動産屋の3つに分かれます。私たちのような図面を書いたり工事監理をしたりするのが設計事務所。その図面を元に工事するのが工務店。不動産の売買を仲介するのが不動産屋。では、リノベーション会社やリノベ屋という分類はどこに該当するのでしょうか??
正解はどこにも該当しないんですね。リノベーション会社やリノベ屋といわれるものは、不動産屋だったりインテリアショップだったり、はたまた建築とはまったく関係ないカフェを経営していたりとさまざまです。
今リノベーション関係の雑誌などをみると、ほとんどがリノベーション会社さんで埋め尽くされています。載っている事例などを参考にしてリノベーションの依頼先を選ぶことは良いことだと思います。でもそれはあくまでも「写真」でしかないんです。今は綺麗に見せるために写真も加工したりできますし、実際に見てみると「納まりがおかしかったり」などといった事はよくあります。
建築業界は、はっきり言って「経験と知識が必要」です。その為に職人さんや私たちの様な建築に携わっているものは、それなりに経験や知識を積んできています。リノベーション会社やリノベ屋といわれる方のほとんどが、そういう経験をあまり積んでいないのが現状です。もちろん中にはきちんと経験や知識のある方もいます。
リノベーションをする場合、必ず物件調査をします。その際に物件の色んな所を確認します。それでもいざリノベーション工事を開始しても図面通りには、ほぼいかないというのがリノベーションです。それだけリノベーションは、担当する人の経験や知識が必要になってきます。
物件調査で、「法令関係チェックします」「近隣状況チェックします」とかそんなの当たり前の話なんです。でもその法令って担当の人が、きちんと理解しているという前提の話です。特にマンションは、耐火建築物といわれる建築物です。法令で決められた耐火性能を確保しなくてはいけませんし、戸建て住宅だって「準耐火構造」といわれる建物も存在します。
リノベーションだからこれらの構造を壊していいという事は絶対にないです。これらの性能を壊せば「違反建築」です。耐火建築物や準耐火建築物ならその性能をリノベーションでも確保しなくてはいけないのです。一般の方からすれば「なにがどう違うの?」という所ですが、それらを判断するのも、リノベーションを提供する側の役割です。
リノベーションの依頼先を選ぶ際に、果たしてこの担当の人は「法律も理解しているか」という所も選ぶ参考にしてみてはどうでしょうか。
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