戸建てリノベーション「この柱や梁は取っても大丈夫??」
投稿日:2020年6月2日 | 最終更新日:2023年7月20日
戸建てリノベーションでの一番のポイントとなる「柱と梁」。結論から言うと柱と梁は簡単には取れない。ですが取れる柱と梁があります。今回は戸建てリノベーションでの柱と梁についてリノベーション専門の一級建築士がご説明していきます。
柱と梁を取って間取りを広げれる?
戸建てリノベーションの難しい所は、間取り変更に伴う既存の柱や梁の関係です。特に木造の場合は、取れる(移動)出来る柱や取れない柱が存在するという事。例えばLDKをもう少し広くしたい。となった時に柱や梁の位置関係はどうなっているのか?は重要になってきます。
LDKを広げた時に、既存の柱が部屋のど真ん中にあって邪魔になる。この柱どうにかならないのか?簡単な話、柱を取るか移動させれば問題ないのですが、実際そんな簡単な話ではないんですね。
柱は、家の荷重を支える重要な役割をしています。その柱の中でも梁を支えている柱もあれば、何も支えていない柱もあります。梁を支えている柱でも代わりに柱や梁を新しく追加してあげれば取れる柱もありますし、何も支えていない柱ならもちろんとれます。
柱や梁はあまりとるべきでない
柱や梁ってあんまり取ったり動かしたりするのは良くないんですよね。その理由はバランスよく計算されて配置されているからなんですね。といっても間取りに大きく影響が出てくるなら移動や追加したりして、その家の構造を壊さないことを前提に考えていかなくてはいけないのですが・・・
今戸建てリノベーションをする方も増えてきています。それに伴い戸建てリノベを取り扱う会社も増えてきました。中にはまだまだ知識不足の会社もあります。構造上大事な柱や梁をいとも簡単に、取ったり移動させたりとしているところもあります。
柱の移動には、ただ単に柱を移動させれば良いという事ではなくその下の基礎との関係も出てきますし、梁を取って新しく梁を移動させる場合でもその梁は、どう受けるのか?や柱で受けるのならば基礎との関係も出てきますし、考えなくてはいけない事が多々出てきます。
ここの柱を取ってすっきりした間取りにしたいから、柱を取って代わりに梁を追加すればいいだろう。という安易な考えは危険なんですね。せっかく新しい間取りになるのだから、邪魔になる柱や梁はないほうが良いに決まってます。でもその柱や梁は、その家を支える為に必要な柱や梁かもしれません。
私たちの様な設計士でも、この柱は取れる?この梁は動かしても大丈夫?といった事を検討する際には、現場の大工さんと相談して決めます。それだけ柱や梁の移動や取ることには、慎重になります。
でっかい梁を入れるから大丈夫だろう、柱を多く入れてれば大丈夫だろう、そん甘いものではないです。それだけ木造の戸建て住宅のリノベーションは難しいということなんです。
筋違という物もある
木造戸建て住宅のリノベーションでの間取り変更でもうひとつ厄介なのが、「すじかい」という物です。柱や梁と同じように、このすじかいも家の強度をささえている材料のひとつです。
このすじかいは、どこでも入れれば良いという物ではなく「バランスよくなおかつ決められた数値以上」という法律があります。今はいっているすじかいは、単に入っているという訳ではなくきちんと計算されて入っているので、柱や梁と同じように簡単に取ることはできないです。
また築古物件になると、このすじかいがほとんどなく耐震性に問題がでてくるため耐震補強をしてあげる必要がでてきます。外壁面にこのすじかいを新しく入れてあげるという事は、おおがかりな工事になる為リノベーションでの耐震補強では、室内側の邪魔にならない所にすじかいを新しくいれてやりなおかつ外壁面には合板(ごうばん)という物を取り付けて耐震性を増す方法が適しています。
まとめ
木造住宅は、柱や梁・すじかいといった物が家を支えています。これらは家の設計段階から計算されて配置されています。そのため家の荷重を支えるのに必要な部材です。簡単に柱や梁・すじかいを取ってしまうと家が倒壊することもあります。また木造住宅には、基礎というものもあります。玄関の土間を広げたいから「基礎を取ってしまえ」という発想はだめです。
基礎は上からのすべての力を受け止めているものなので、基礎をとるという判断は柱や梁をとるよりはるかに難しいです。ただけして取れないということではなく、すべては取ることによってバランスを崩さないかという判断が必要です。戸建てリノベーションの際には、これらを判断できる建築士さんに一度見てもらうほうがいいでしょう。
私たちでは、中古物件探しから内覧・リノベーションに関するご相談など受け付けています。リノベーションに特化した一級建築士がご対応していますので、お気軽にお問合せ下さい。
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