戸建リノベはリスクが多い?購入するならマンション?

リノベの基礎知識(戸建住宅編)

投稿日:2023年7月5日 | 最終更新日:2023年7月20日

中古の戸建てを購入してリノベーションを今検討されている方の中で、マンションも選択肢にある方も多いのではないでしょうか?戸建てかマンションかどちらがリノベーションするにはいいのでしょうか?今回はそんな疑問を戸建て住宅の視点から、リノベーション専門の一級建築士が解説していきます。

戸建てリノベーション基礎知識

中古戸建て住宅のリノベーションはリスクが多い

戸建て住宅のリノベーションは、マンションに比べてリスクが多いと言えます。すべての戸建て住宅ではないですが、特に中古の戸建て住宅を購入してリノベーションの場合はリスクが非常に高くなりがちです。

なぜリスクが高くなりやすいのか?その理由として、中古の戸建て住宅は「確認申請」という物がないものが多いです。特に「完了検査済み書」という検査済み書が備えつけられていない場合が頻繁にあります。これは法律に適合していますよ。という証明になるので、戸建て住宅にとっては非常に重要な書類のひとつです。

また「確認申請」がない戸建て住宅も多く、前の持ち主さんによって改造されている場合もあります。法律上適合していれば問題ないですが、適合していなければ行政指導が入る場合もあり最悪取り壊しという事も起こります。

では確認申請や完了検査済み書が、適切に発行されているかを確認するにはどうすればいいのでしょうか?それらは市役所に行けば確認することができるので確認し、その戸建て住宅が法律上問題ないのかを確認するようにしましょう。

耐震性にも問題がある場合が多い

中古の戸建て住宅には、耐震性に問題がある場合も多く存在します。特に築年数の古い戸建て住宅は、リノベーションの時に、耐震補強が必要になる場合があります。

耐震補強

耐震補強の方法は色々ありますが、コストが高くなりやすい工事のひとつです。耐震補強をリノベーションに組み込むと、かなりのコストアップになり予算オーバーとなることが多いです。

中古戸建住宅は外部も考える必要がある

中古の戸建て住宅のリノベーションでは、室内だけでなく屋根や外壁、外構と言った外部も工事が必要になることがあります。中古戸建て住宅の多くが、手で外壁を触ると白い粉がつく「チョーキング現象」と言われる現象がある場合があります。これは外壁が劣化してますよ。というサインです。

戸建てリノベ外部

またサイディングの外壁でもサイディングとサイディングの間のコーキングが切れている場合も多くあります。これらの現象は、外壁の塗り替えが必要であったりコーキングを打ち直す必要があります。その他にもカーポートの交換や屋根材の葺き替えなど室内のリノベーションだけでなく、外部もリフォームすることが戸建て住宅のリノベーションでは付属してくることが多いです。

雨漏りや白アリの被害にあっていることもある

戸建て住宅のリノベーションでは、解体してみたら雨漏りや白アリの被害にあっていたということがあります。雨漏りや白アリは一刻も早く直さなければいけませんが、どこから雨漏りしているのか?白アリの被害は何処までなのか?を特定する必要があります。

その場所を特定してもどのような方法で直すのかなどを検討している間は、その部分は工事ができないという事もあります。また雨漏りや白アリの修繕にかかる費用が余分に必要になることもあります。

リノベーション後も考えて

マンションでも同じですが、将来の建物の修繕費という物を確保していかなくてはいけません。外壁やトイレ・お風呂など建物は、定期的にメンテナンスが必要です。マンションの場合は、住んでいる人全員がそれぞれいくらかを出し合って積み立てしていきますが、戸建て住宅はその費用を自分たちで積み立てていかなくてはいけません。

戸建て住宅のメンテナンスは、マンションに比べて箇所が多くなりがちです。その分マンションに比べて積み立て費用も多くなってきます。メンテナンスをしなければその分建物は劣化していくいっぽうです。リノベーションが終わったから終わり。ではなくそこからが中古戸建て住宅では、新たなメンテナンスに備えての始まりです。

まとめ

中古の戸建て住宅のリノベーションは、マンションに比べて費用が高くなります。これらは工事範囲が広くなるのがいちばんの原因です。また想定外のことも多々あり、当初予定していたリノベーション金額よりも増えることもあります。中古の戸建て住宅のリノベーションは、マンションに比べてリスクが高くなる。と言う点も踏まえて、戸建てのリノベかマンションのリノベかを検討してみてはいかがでしょうか。

私たちでは、中古物件探しから内覧・リノベーションに関するご相談など受け付けています。リノベーションに特化した一級建築士がご対応していますので、お気軽にお問合せ下さい。
ご相談

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧

ブログリスト