ワンストップリノベーションには注意が必要です
神戸を中心に大阪・阪神間でリノベーション専門の設計事務所がお伝えしています。今回は「ワンストップリノベーション」が本当に便利なのかについてです。
目次
まずはワンストップリノベーションとは?
リノベーションを考えている方だと一度は聞いたことのある「ワンストップリノベーション」と言う言葉。物件探しからリノベーションまですべて「ひとつの会社」でというのが、最大の魅力のようです。
物件探し・ローンの事・リノベーションなど、家を作るとなると沢山の「すること」がありワンストップリノベーションでは、これらをひとつの会社ですべてできる。ということがユーザーに受け「ワンストップ」という言葉が至る所で耳にするようになりました。
確かに中古物件探しからの方にとっては、物件を自分たちで探さなくてもいい。という手間が省けるのはメリットと感じるかもしれません。そういった手間を省けるのが、ワンストップリノベーションが出てきた理由のひとつになります。
物件選びは本当に大事だから手間を惜しんではだめ!
物件選びは、確かに大変です。この「大変」を少しでも楽にしますよ。というのがワンストップリノベーションです。
今はインターネットで希望の地域や広さなどを選択してめぼしい中古物件を探して不動産屋さんに問い合わせるという探し方をする人が増えてきています。写真でみると綺麗だったけど実際に内覧すると違ったという事はよくあります。でもこれは自分の目で見て初めて解る事ではないでしょうか。これが解るのだって、実際にその場所まで「足を運んだ」から解る事で、写真だけで判断してしまっていたらまったくわからなかった事ではないでしょうか。
確かにこの内覧に足を運ぶことは、手間や時間がかかる事です。まして小さいお子さんがいる家庭などにとっては、大変なことだと思います。物件探しでこの「手間」を少しでも楽したいと思うのは、中古物件探しをしている方のほとんどがそう思うはずです。しかし物件探しは、リノベーションに関係なく本当に大切な事です。そこにこれから何十年と住んでいくのですから。
よく言われる「隠し物件」なんかない!
ワンストップリノベーションを利用しようかと思う前に、覚えておきたいのが「インターネットなどで出ている以外の隠し物件などない」という事です。よく皆さんが勘違いされているのが、ワンストップリノベーションだとインターネットや広告などに載っていない物件が手に入るだろうという事です。これは大間違い!
どんな物でもそうですが、売り手側としてみれば少しでも高く売りたいというのが心情です。その為沢山の人に見てもらために宣伝します。またワンストップリノベーションでよくある「独自物件」。そんな物件はあるわけがありません。あったとしても誰も買わなかった売れ残り物件です。
物件購入+リノベーションだからスムーズにいく
ワンストップリノベーションでよく言われているのが、物件購入とその後のリノベーションがひとつの会社なのでスムーズに出来る。というメリット。いざ物件を購入して実際にこの工事はできなかった・・・という事が避けれる。という事が頻繁に言われています。
しかし間取りを考える前に、どこのリノベーション会社もまずは現地調査というものを実施します。寸法を確認したり、管理事務所に保管されているマンションが建てられた当時の竣工図面という物を確認したりし、実際に目に見えない部分がどんな風になっているのかをチェックしたのちにご希望の間取りができるかを判断しているはずです。
また物件購入前では、既存の壁や天井などは壊すことができない為ある程度の想定をして配管経路がどうなっているのかや水廻りが動かせるのかなどを検討します。
上記の理由から、中古物件購入前では正解は見いだせない。というのが本当の所です。中古マンションや戸建て住宅をリノベーションする場合、必ずしもその通りに行かないという事が絶対についてきます。
ワンストップだからできるは・・・
ワンストップリノベーションでよく言われているのが、物件購入費用とリノベーションの費用を一緒にローンが組めるからワンストップの方が得です。ということですが、そんなことはありません。ワンストップでなくても物件購入費とリノベーションの費用をまとめてローンを組むことはできます。
これは実際にリノベーションと物件購入に少しでも携わっている人ならだれでもがしっています。ワンストップだから特別ではなく、要は物件を紹介しての利益リノベーションをしての利益を両方取りたいからなんです。
ワンストップの紹介物件は自社物件が多い
ワンストップリノベーションは、不動産会社です。とういうことは物件を紹介するのにまずは自社で扱っている物件を優先する場合が多いです。自社で扱っている物件を優先する理由は、仲介手数料です。通常仲介手数料は3パーセントとなっていますが、自社で扱っている物件だと売主と買主の両方から3パーセントづつ貰えるからです。両手仲介と言って違法ではないです。
となると自社の顧客物件を優先して紹介するほうが、ワンストップ会社にとっては有益です。例えば似たような建物で値段も同じような場合、その後のリノベーションの事を考えて自社管理物件でない方を進められるという事はまずないでしょう。それは上記の仲介手数料の仕組みがあるからです。
中古物件の内覧は建築に詳しい第三者にも同行してもらう
ワンストップリノベ会社さんでも地元の不動産屋さんに物件探しをしてもらう場合の内覧には、必ず第三者に同行してもらうのを忘れないでください。特にワンストップリノベ会社さんの場合は、その後のリノベーションも取り込みたい為に良いことばかりを言いがちです。
中古物件は、内覧時は中古です。室内も古かったり汚かったりします。ワンストップリノベ会社さんのほとんどが、「リノベーションするのだから大丈夫でしょう」と言います。しかしその言葉をうのみにすると後々後悔する事もあります。
内覧時は室内の表面上の部分しか見る事ができません。壁や天井を壊すこともできないですし如何に今見える部分で判断するかが大事になってきます。また不動産屋さんでは、早く売りたいという心情があります。その為不都合な部分は、あまり話たがらないという所もあります。こういったリスクを少しでも避けるために、内覧時には建築に詳しい第三者に同行をお願いするのが一番良い方法です。
私たちが出来ること
私たちは、建築設計事務所です。一級建築士の立場から、まずその中古マンションや中古戸建住宅がリノベーションした時にどんなメリットがありデメリットがあるのかをアドバイスいたします。
例えば壊せる壁なのか?それとも壊せば構造的に問題が出てくるのかを判断したり、階段を架け替えることはできるのか?架け替えた時にどんなデメリットがでるのかや外壁や屋上の防水も工事するべきなのか?水回りは移動できるのか?移動した場合どんなデメリットがあるのか?結露や断熱対策はどこまでした方が良いのか?など中古物件内覧時にご同行させて頂き、アドバイスさせて頂きます。
またリノベーション中は、工事が図面通りに施工されているのか?工事中不具合が出た時に、不具合の理由をご説明させていただき、施工業者が勝手に変更しない様に事前に説明させて頂いてご納得頂いてから工事再開をする様にしています。
最後に
ワンストップリノベーションのメリットをインターネットなどで検索すると、ほとんどすべてが1つの会社で出来る。という利点をあげています。しかし家つくりには、手間がかかるのが本来です。この手間を少しでも楽したいと思われる方には、ワンストップという方法が向いています。
ただどんな事もそうですが、手間をかけるからより良い物ができる。という事が言えます。手間を省いて少しでも楽をしたいと思うのが人の心情というものですが、手間を省いた分だけ何処かに必ずと言っていいほどしわ寄せがきます。
物件探しで言うならば、ワンストップリノベにお願いした場合後々のリノベーションまで囲い込まれてしまいます。物件は気にいっているけどリノベーションの打ち合わせをしてみると、担当があわない。となっても違うリノベ会社にお願いする事は、ほぼできません。そうならない為にもそれぞれに特化した専門分野にお願いする事が大事になってきます。
私たちでは、中古物件探しから内覧・リノベーションに関するご相談など受け付けています。リノベーションに特化した一級建築士がご対応していますので、お気軽にお問合せ下さい。
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