ワンストップリノベーションは本当に良いの?その疑問解決

リノベの正しい依頼先選びの方法

投稿日:2019年5月6日 | 最終更新日:2023年8月17日

ワンストップリノベーションは安心なの?

リノベーションをご検討中の方で、ワンストップリノベーションにお願いしようか?やワンストップリノベは良さそう。でも本当に良いのか?と疑問をお持ちではないでしょうか?

リノベーションで依頼先を検索していくと、ワンストップにお願いするのが失敗しないコツとか、ワンストップだから安心。本当にそうなんでしょうか?

結論から言うと、見栄えと早さそして管理も自分で出来ると言う人にはワンストップが向いています。口コミサイトで実際に体験した方が投稿しています。)

私たちがリノベーションを手掛けているからではなく、あくまでも建築と言う観点から公平に見たワンストップリノベーションについて説明していきます。

リノベーションの依頼先選び

まずはワンストップリノベーションとは?

リノベーションを考えている方だと一度は聞いたことのある「ワンストップリノベーション」と言う言葉。物件探しからリノベーションまですべて「ひとつの会社」でというのが、最大の魅力のようです。

物件探し・ローンの事・リノベーションなど、家を作るとなると沢山の「すること」がありワンストップリノベーションでは、これらをひとつの会社ですべてできる。ということがユーザーに受け「ワンストップ」という言葉が至る所で耳にするようになりました。

確かに中古物件探しからの方にとっては、物件を自分たちで探さなくてもいい。という手間が省けるのはメリットと感じるかもしれません。そういった手間を省けるのが、ワンストップリノベーションが出てきた理由のひとつになります。

物件購入+リノベーションだからスムーズにいく?

ワンストップリノベーションでよく言われているのが、物件購入とその後のリノベーションがひとつの会社なのでスムーズに出来る。というメリット。いざ物件を購入して実際にこの工事はできなかった・・・という事が避けれる。という事が頻繁に言われています。

しかし間取りを考える前に、どこのリノベーション会社もまずは現地調査というものを実施します。

寸法を確認したり、管理事務所に保管されているマンションが建てられた当時の竣工図面という物を確認したりし、実際に目に見えない部分がどんな風になっているのかをチェックしたのちにご希望の間取りができるかを判断しているはずです。

また物件購入前では、既存の壁や天井などは壊すことができない為ある程度の想定をして配管経路がどうなっているのかや水廻りが動かせるのかなどを検討します。

上記の理由から、中古物件購入前では正解は見いだせない。というのが本当の所です。中古マンションや戸建て住宅をリノベーションする場合、必ずしもその通りに行かないという事が絶対についてきます。

なので物件購入とその後のリノベーションをひとつの会社にしたからと言って、必ずしもリノベーションがスムーズに行くとは限りません。

物件購入前からリノベーション可能か判断できるの?

これよく聞きます。物件購入前からリノベーション可能かどうかは、普通にリノベーションに携わっている人ならわかります。別にワンストップだからわかることではないです。

給排水管が動かせるかどうかや壁が取れるのか?それとも取れないのか?など内覧の時に見れば大方わかります。またマンションの規約を確認すればダメな工事内容がわかります。

そしてもうひとつ、「全体の予算のイメージがしやすい」

全体の予算のイメージといっても、「予算」は決まっているわけです。建物にかかる分の残りが、リノベーションの予算なわけです。その予算内で、如何に理想のリノベーションを叶えるか?を提案するのが私たちの役割です。

別々に依頼すると購入者自身が「司令塔」となる?

中古物件の購入とリノベーションを別々の業者に依頼すると「購入者自身が司令塔」となると手間がかかる。だから一社で出来る方が良いといいますが、別々にわけたからと言って購入者自身が指揮をとることなどありません。

物件購入に関しては不動産屋が指揮をとってくれますし、リノベーションに関しては私たちの様な設計事務所や工務店が指揮がとってくれます。

また私たちの様な設計事務所や工務店からみると、ワンストップリノベーション会社がホームページに書いている工事内容とかなどをみると「それ違うよ」という所が多々あるのがワンストップリノベーションです。

ワンストップリノベーションは打合せ制限がある

ワンストップリノベーションは、なによりも「早さ」が売りです。そのために打合せ回数に制限がある所が多いです。

この打合せ回数に制限があれば、それまでに決めなければいけない。という制約があることはリノベーションでは、デメリットになります。なぜなら、リノベーションはコダワリのある暮らしを実現したい方が多いはずです。

またワンストップリノベーション会社のほとんどが、コダワリを実現します。と言いますが、打合せ制限がある時点で矛盾しますよね・・・

もちろん打合せ制限があることで、その回数内に決めなければいけない。という心理が働いてダラダラとしない利点もありますが、はたして皆さん打合せ制限がある中で自分たちのコダワリを伝える事できますか?

工事中の立ち入り制限や工事監理に来ないこともある場合もある

ワンストップリノベーションの場合、リノベーション中に「見に行く」という事に制限がある場合があります。自分たちの家なのになぜ?どこまで工事が進んだのか見てみたい。

と思っても「入らないでください」などと言った制限がかけられることもあります。もちろん作業の内容によっては立ち入り出来ないこともあります。

また工事中の現場に来ない。ということも多々あります。下請けの工務店や職人にまかせっきりで来ても2、3回程度というのをよく聞きます。(これは実際の話しで、大工さんから直接聞いた事があります)

実際に私たちが体験したワンストップリノベの工事

実際にワンストップでリノベーションされた方から、外壁の塗装のみを依頼されたことがあります。元々あった窓を撤去してから外壁部分を全面塗装してほしいという工事でした。

事前にお客様とは打ち合わしていましたが、ワンストップ業者とは一度も打合せがないままでした。仕方ないので、お客様に間に入って頂き工事の状況や外壁の塗装に入る日程などを伝えてもらうようにしました。

当日現場に行くと、窓は塞がれていないし外壁の塗装をするのに必要な下地もできていませんでした。もちろんその日は工事ができませんでした。

後日ワンストップの担当の方に確認すると、「日程なんかは聞いていない」「下地も含めて御社がされるのでは?」などという内容でした。

もちろんお客様は、ワンストップの担当の方に伝えいます。結局私たちの方で下地を作って無事工事は終わりました。

事実こういうことがワンストップリノベーションでは起こりえることなんです。

ワンストップリノベの紹介物件は自社物件が多い

ワンストップリノベーションは、自社で扱っている物件を優先する場合が多いです。自社で扱っている物件を優先する理由は、仲介手数料です。

通常仲介手数料は3パーセントとなっていますが、自社で扱っている物件だと売主と買主の両方から3パーセントづつ貰えるからです。両手仲介と言う、不動産業界ではよくあることです。

となると自社の顧客物件を優先して紹介するほうが、ワンストップ会社にとっては有益です。

例えば似たような建物で値段も同じような場合、その後のリノベーションの事を考えて自社管理物件でない方を進められるという事はまずないでしょう。それは上記の仲介手数料の仕組みがあるからです。

またワンストップで紹介される物件は気に入ったけど、リノベーションは他でお願いしたい。となった時に変更は出来ません。

つまりワンストップリノベにお願いした場合、後々のリノベーションまで囲い込まれてしまいます。そうならない為にもそれぞれに特化した専門分野にお願いする事が大事になってきます。

条件が厳しいとなれば後回しにされる場合もある

物件の紹介はあくまでも前提で後のリノベーションが本題です。その為物件探しの条件が厳しいとなれば後回しにされることも多々あるようです。

またいくつかの物件の資料を見せてあとは連絡がこなくなる。といったこともあるようです。

ワンストップリノベでなくてもローンを一緒に組める

ワンストップリノベーションでよく言われているのが、物件購入費用とリノベーションの費用を一緒にローンが組めるからワンストップの方が得です。

ということですが、そんなことはありません。ワンストップでなくても物件購入費とリノベーションの費用をまとめてローンを組むことはできます。

これは実際にリノベーションと物件購入に少しでも携わっている人ならだれでもが知っています。ワンストップだから特別ではなく、ローンを申し込む銀行によって変わってくる。というのが正解です。

またリノベーションは、ほとんどの方がローンを組みます。まず銀行にリノベーションに掛かる「見積書」を提出する必要があります。

例えば1000万円のローンを組むなら、1000万円の見積書が必要になってくるという事ですが、この見積書は別にワンストップリノベーション会社だけではなく、依頼する工務店又は設計事務所などで作成してもらえます。

物件選びは本当に大事だから手間を惜しんではだめ!

物件選びは、確かに大変です。この「大変」を少しでも楽にしますよ。というのがワンストップリノベーションです。


今はインターネットで希望の地域や広さなどを選択してめぼしい中古物件を探して不動産屋さんに問い合わせるという探し方をする人が増えてきています。

写真でみると綺麗だったけど実際に内覧すると違ったという事はよくあります。でもこれは自分の目で見て初めて解る事ではないでしょうか。

これが解るのだって、実際にその場所まで「足を運んだ」から解る事で、写真だけで判断してしまっていたらまったくわからなかった事ではないでしょうか。

確かにこの内覧に足を運ぶことは、手間や時間がかかる事です。まして小さいお子さんがいる家庭などにとっては、大変なことだと思います。

物件探しでこの「手間」を少しでも楽したいと思うのは、中古物件探しをしている方のほとんどがそう思うはずです。しかし物件探しは、リノベーションに関係なく本当に大切な事です。そこにこれから何十年と住んでいくのですから。

よく言われる「隠し物件」なんかない!

ワンストップリノベーションを利用しようかと思う前に、覚えておきたいのが「インターネットなどで出ている以外の隠し物件などない」という事です。

よく皆さんが勘違いされているのが、ワンストップリノベーションだとインターネットや広告などに載っていない物件が手に入るだろうという事です。これは大間違い!

どんな物でもそうですが、売り手側としてみれば少しでも高く売りたいというのが心情です。その為沢山の人に見てもらために宣伝します。確かにインターネットに掲載されている以外の物件も存在しますが、これらは不動産屋さんなら誰もが見れる物件です。

それぞれには専門分野がある

リノベーションには、多くの業種が関わってきます。銀行や不動産屋に設計事務所・工務店と更にそこから各職人へと、1つのリノベーションが完成するまでには沢山の人が関係しています。

どの業種もそうですが、それぞれには専門の分野がありそれぞれがその分野の役割を果たしていくから、一つの物が出来上がります。

確かにこれらをひとつにまとめた方が効率は良いでしょう。効率を上げることは良いことですが、その分「誰かがしてくれるだろう」という事が起こりやすくなります。

その一方でそれぞれが専門分野で動く場合、自分たちが動かなければその先に進めない。ということになり、ひとつの物に対しての責任感という物がより強いです。

設計事務所にリノベーションを依頼!メリットデメリットは?

中古物件の内覧は建築に詳しい第三者にも同行してもらう

ワンストップリノベ会社さんでも地元の不動産屋さんに物件探しをしてもらう場合の内覧には、必ず第三者に同行してもらうのを忘れないでください。特にワンストップリノベ会社さんの場合は、その後のリノベーションも取り込みたい為に良いことばかりを言いがちです。

中古物件は、内覧時は中古です。室内も古かったり汚かったりします。ワンストップリノベ会社さんのほとんどが、「リノベーションするのだから大丈夫でしょう」と言います。しかしその言葉をうのみにすると後々後悔する事もあります。

内覧時は室内の表面上の部分しか見る事ができません。壁や天井を壊すこともできないですし如何に今見える部分で判断するかが大事になってきます。また不動産屋さんでは、早く売りたいという心情があります。

その為不都合な部分は、あまり話たがらないという所もあります。こういったリスクを少しでも避けるために、内覧時には建築に詳しい第三者に同行をお願いするのが一番良い方法です。

 

まとめ

今回のおさらい

  • ワンストップリノベーションだからといって安心ではない
  • 物件選びは手間を惜しんではダメ
  • ワンストップだからリノベがスムーズに行くとは限らない
  • 物件の内覧は専門家にみてもらう

ワンストップリノベーションのメリットをインターネットなどで検索すると、ほとんどすべてが1つの会社で出来る。という利点をあげています。

しかし家つくりには、手間がかかるのが本来です。この手間を少しでも楽したいと思われる方には、ワンストップという方法が向いています。ただどんな事もそうですが、手間をかけるからより良い物ができる。という事が言えます。

手間を省いて少しでも楽をしたいと思うのが人の心情というものですが、手間を省いた分だけ何処かに必ずと言っていいほどしわ寄せがきます。

私たちでは、中古物件の内覧・資料請求・リノベーションに関するご相談など受け付けています。リノベーションに専門の一級建築士がご対応していますので、お気軽にお問合せ下さい。

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