マンションリノベでなぜ床段差ができる?

リノベの基礎知識(マンション編)

投稿日:2023年1月11日 | 最終更新日:2023年8月2日

マンションのリノベーションをする時に、床に段差ができてしまう・・・リノベーション前に中古マンションを内覧や今お住まいのマンションでもほぼ床に段差があるのではないでしょうか?マンションリノベーションで床に段差が出来てしまう理由について、リノベ専門の一級建築士が、なぜ段差が出来るのかをわかりやすく解説していきます。

リノベーションでのキッチンの段差

そもそもなぜ??床に段差ができる?

そもそもなぜ?マンションの床に段差ができるのでしょうか?バリアーフリー化が進展している昨今で、床に段差が出来ることは極力避けたいはずです。ではなぜ床に段差ができるのか?その理由は、洗面やトイレなどといった水回りの排水管が、床に段差ができる原因です。

新築マンションの場合は、水廻りの床を構成するコンクリートのスラブと言われている物を最初から他の床より下げて設計されてたりしています。その為昨今の新築マンションは、水廻りも他の床と同じ高さになっている場合がほとんど。しかし中古マンションの多くは、水廻りの床に段差をつけるという事が当たり前だった為コンクリートのスラブという物を下げずに設計されています。

ではなぜ水回りの排水管のせいで床に段差が出来てしまうのか?答えは床下に排水管を通している為です。これを「床下配管」と言います。キッチンや洗面所などの排水は、排水管の勾配と水圧によって流れる様になっています。

この勾配は、きちんと決められた勾配を取ることが厳守されています。その為コンクリートのスラブが下げられていないマンションでは、スラブ上に排水管を施工しなくてはいけなくなり排水管の勾配の高いほうが、どうしても他の床より高くなってしまうために水回りの床に段差がついてしまいます

床の段差をなくす方法

水回りの床の段差をなくす方法が、無いわけではないです。排水管内の排水は、勾配と水圧で流れる。というのを上記でご説明しましたが、勾配が取れ水圧があれば排水は流れる為「壁内に排水管を通す」という方法もあります。この方法をとることにより、水廻りの床の段差をなくすこともできます。

壁排水

しかしこの方法をとることにより、排水管が通るスペースが壁内に必要になってくるため壁厚が厚くなったり、余分なデットスペースを作らなくてはいけなくなってくる為、コストが上がる傾向があります。

いっそのこと他の床高さを揃える

水回りの床の段差をなくす方法としてもう一つが、他の床の高さを水回りの床の高さにあわせる。という方法もあります。しかしこの方法の問題点は、窓際でサッシの下端と床の部分で段差が大きくなるという点と梁下に余裕がないと異常に梁下が低くなる。という点があります。

水回りの床と他の床の段差は、大体8㎝~10㎝くらいの差がある為窓際での段差がでてきます。これを回避するには、窓際までフローリングなどを貼らず土間テラスなどとすることもできますがいずれにしても段差が出来てしまいます。また床の高さを全体で上げてくるので、その分コストも上がる傾向があります。

まとめ

中古マンションのリノベーションでは、水回りの段差の解消はできるという前提の方が良いかと思います。段差を付ける場合は、出来るだけメリハリのある段差をつける様にしましょう。あまり段差を付けたくないからと言って他の床との差を小さくしてしまうと逆につまずきやすくなってしまいます。

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